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新型コロナウイルス(COVID-19 )感染と生殖医療の両立について

ドクターブログ
2020.05.08

新型コロナウイルス(COVID-19)という未曽有の災害に見舞われ、ご妊娠を目指す皆様においては大変なストレスと負担があるかと思います。

安倍首相は、コロナの蔓延防止と経済活動の両立が重要であると発言されました。感染拡大を防止しようとすれば、経済活動には打撃であり、経済活動を活性化させれば、感染のリスクは増えてしまう。この二つの両立は非常に難しいことです。

不妊治療の分野においても同様のことが言えます。コロナの感染予防と生殖医療の両立です。

この二つは、両立が難しい部分もあります。しかしなんとか考えていかねばなりません。

 

挙児の希望があり不妊治療専門クリニックに受診したいが、コロナ感染予防のため自宅待機しており、受診できない方も多くいらっしゃると思います。一方で、妊娠できる期間は限られており、切実な問題として待つことができない方も多くいらっしゃるかと思います。

当院は挙児を望む方にとっての選択肢を奪わないように、診療を続けて参ります。

 

さて、そのうえで我々は2つのことに関して考えていかねばなりません

  • ①皆様の安全

少なくとも当院がクラスターとならないように、最大限の警戒をしています。当院の取り組みなどはぜひ当院HPのお知らせ欄をご参照ください。

また、皆様同士が感染を防ぎあうご協力も大切です。体調の悪い方、咳症状のある方、その他気になる症状のある方はどうか受診をお控えください。体調が改善したらまた治療を再開させていただければと思います。

  • ②生まれてくる赤ちゃんの安全

皆様に知っておいていただきたいことをあげさせていただきます。

 

1:COVID-19 が胎児に及ぼす影響は未だ明らかになっておりません。

2:妊婦における重症化の可能性が否定できません。また、妊娠中に 使用できる安全な治療薬はありません。アビガンなどは禁忌となります(妊娠中使えない)。

3: 日本生殖医学会(4 月 1 日)は、「不妊治療の延期という選択肢を提示するよう推奨」との見解を発表しました。

4:厚生労働省(4 月 1 日)は、 COVID-19 が胎児の異常や死産、流産を起こしやすいという報告は無く、妊娠中でも過度な心配は不要との見解を出しています。

5:日本産婦人科学会(4 月 7 日)は、妊婦が特別にこのウイルスにかかりやすい、という報告は無く、 妊娠中の重症化率も一般の方と同じかむしろ低い値が報告されている、と公表しています。

 

上記を踏まえたうえで、治療を継続されるか、いったん中止するのか、ご判断いただければと思います。非常に難しい選択でありますが、それぞれの価値観や置かれている環境などによっても変わってくると思います。

もし我々どもに相談をご希望されるようであれば、オンライン診療を準備させていただきましたので、ご相談いただければ幸いです。

まだ準備中でありますが、当院を受診されたことのない方に対してもプレ初診という形でオンライン診療を受けられるようにしたいと考えています。

明けない夜はありません。皆様と協力しながらこの難局を一緒に乗り越えて、どうか妊娠を希望される方々の願いが叶いますことを心から願っております。

 

2020年5月8日 松本レディースリプロダクションオフィス 院長 松本玲央奈

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