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松本IVFレディースクリニックは、
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妊活を提供します。
目次
男性不妊とは何か?
「妊る」男性不妊の「妊」の字は 「みごもる」と読みます。男性不妊は男性はみごもらずと書きます。当たり前ですが、男性はみごもりません。英語では「male infertility」と記載されます。male infertilityという言葉は1946年の文献には登場しており、本邦においても1948年の文献に「男性不妊」という言葉を見つけることができます。当初は婦人科医からの報告だけだったものが、1960年に入る頃より、徐々に泌尿器科医からのからの報告も増えてきます。しかし、1990年代に顕微授精ができるようになると、精子の状態が悪くても挙児を得ることができるようになり、一気に泌尿器科医の役割が減ってしまいます。しかし近年は、顕微授精でもうまくいかない症例でも精子の質を改善させることにより妊娠率を上昇させることがわかってきました。ここでは男性不妊について説明していきます。
男性不妊で考えられる原因
男性不妊の原因は「造精機能障害」「性機能障害」「精路閉塞性障害」「その他」の4つに分けることができます。
この中で最も多いのが82%を占める「造精機能障害」です。精子がうまく作れない造精機能障害の原因は「特発性」「精索静脈瘤」「染色体異常」「薬剤性」「停留精巣」「低ゴナドトロピン性性線機能低下症」などに分けられます。中でも多くを閉めるのが、原因がはっきりしない「特発性」、次に多いのが「精索静脈瘤」となります。
精索静脈瘤は超音波検査により診断することができます。精索静脈瘤があると、精巣の温度が上昇したり、精巣内が低酸素状態となったりすることで、精子の数や運動率が低下したり、精子のDNA断片化率が上昇し、男性不妊の原因となることが知られています。
「性機能障害」は勃起障害や射精障害などにより性交渉が困難な状態です。近年増加傾向にありますが、なかなか他人に相談することができず、ご夫婦で悩まれていることが多いことが報告されています。
男性不妊の症状別の原因
精子は精巣内の精細管と呼ばれる細い管の中で作られます。精子の元になる細胞が精子になるわけですが、この間に自分の体を作るための設計図を半分にして、子供の体を作るための設計図にします。精子の元になる細胞が精子になるまで約74日間かかります。つくられた精子は体内に運ばれ、膀胱の下にある精嚢や前立腺といった臓器で作られた精液と一緒になり、尿道から射出されます。運ばれて射出されるまでに約2週間かかるため、精子が作られて出てくるまで、3ヶ月ほどかかることが知られています。
体の中にある時間が長いため、飲酒や喫煙、ストレスなど様々なライフスタイルによる影響を受けてしまうことが知られています。これらのライフスタイルは酸化ストレスという形で、精子のDNAに影響を及ぼしてしまいます。体細胞においては、染色体を含む核は細胞質に囲まれた状態にありますが、精子では細胞質はなく、精子頭部に含まれる子供の体を作るための設計図である染色体は、酸化ストレスの影響を強く受けてしまいます。
このように酸化ストレスの影響を強く受けることにより、精子の数の低下、運動率の低下、正常形態率の低下に加え、精子DNA断片化率の上昇が起こることが知られています。特発性造精機能障害の多くはこのような酸化ストレスによる影響を強く受けているのではないかと考えられています。
原因のはっきりしている造精機能障害の原因で最も多いのは精索静脈瘤です。精巣から心臓にかえる静脈の血液が、精巣に戻ってくることにより、静脈が太くなることで瘤のようなものができた状態です。男性の約10-20%にみられるもので、命に関わるような病気ではありませんが、男性不妊の方だけを集めてみると、30-40%に認められます。精索静脈瘤も精子の数が減少したり、運動率が低下することで男性不妊の原因となります。根本的に解決するためには手術による治療が有効であることが知られています。
顕微授精は男性不妊の不安を解消できる
よく患者さんから「精子の状態が悪くても顕微授精ができるから大丈夫と言われました」といったことを聞きます。確かに、精子が少なくても、運動率が悪くても精子があれば顕微授精を行うことはできます。卵巣から取り出した卵子に針で注入する精子は1つですので、取り出した卵子と同じ数の精子があれば、顕微授精は可能です。しかし、顕微授精の後、胚盤胞となり、着床し出産に至るためには、使用する精子の「質」が重要であることが知られています。例えば、精索静脈瘤がある場合、手術をせずに体外受精・顕微授精(ART)、を行った人と手術を行った後にARTをおこなった人を比較すると、手術を行ってからARTをした人の方が早く妊娠出産をしているとの報告もあります。また、精子DNA断片化率が高いと胚盤胞に到達する受精卵の割合が低くなることも知られています。このようなことから、より効率よく妊娠、出産をするためには男性の治療を行い、精子の「質」を改善することで妊娠率を上昇させることができます。
男性不妊の検査方法
【精液検査】
精液の量、精子の数、精子の運動率について評価します。基準となる値はWHOが定めた基準値となります。これは1年以内に妊娠したカップルの男性の精液を評価し、項目ごとに順番に並べた際、各項目の下位5%の値を不妊と不妊でない人のボーダーラインとしています。項目が多く毎回変動するので分かりにくいことが多いのですが、運動している精子の総数がどれくらいあるか(総運動精子数)がどれくらいあるかを比較してみると良いでしょう。
【精巣超音波検査】
精子を作る工場である精巣を超音波で見る検査です。精子を作っている精巣の中に腫瘍などの異常がないか、精子の通り道である精巣上体に閉塞している所見がないか、精索静脈瘤などの異常がないかを確認します。特に、精索静脈瘤は精子数の減少、精子運動率の低下、精子DNA断片化率の上昇に関係するだけでなく、妊娠率の低下や流産率の上昇に関係することが知られていますので、男性不妊症の検査としては必ずやっておくべき検査になります。超音波の機械を精巣に当てるだけなので、痛みを伴うことはありません。
【ホルモン検査】
脳の一部である下垂体からは精巣で精子を作るために必要なホルモンが分泌されています。下垂体の異常により十分なホルモンが分泌されないと精子数が少なくなるだけでなく、無精子となってしまいます。また、精巣の異常により精子がうまく作れないと、下垂体からのホルモン分泌が上昇します。このように精巣機能を客観的に判断する指標としてホルモン検査が行われます。ホルモンの値は血液を採取することで知ることができます。外注の検査になりますので、結果は1週間後の外来で説明することができます。
【染色体検査】
高度乏精子症と呼ばれる、精子濃度が500万/ml(5.0 x 106/ml)以下の方や無精子症の方は、染色体の異常が原因であることが報告されています。具体的には、高度乏精子症の方で約5%、無精子症の方では約15〜20%に染色体異常が認めらたと報告されています。染色体の検査を行うことで、精子の数が少ない、または精子が見つからない原因を知ることができます。また、将来的に生まれるお子様に染色体異常が起こる可能性があるかどうかを知ることもできます。血液を採取することで検査を行い、結果が出るまで3週間ほどの時間を必要とします。
【遺伝子検査】
遺伝子の異状により高度乏精子症や無精子症になることがあります。高度乏精子症の3〜7%、非閉塞性無精子症の8~12%では、Y染色体上のAZFと呼ばれる遺伝子の欠失が原因の1つとされています。遺伝子検査を行うことで、精子が非常に少ない、または精子が全く存在しないことの原因を特定し、不妊治療の方針を決めるうえでの情報収集に役立ちます。ただし、現時点では遺伝子の欠失を治すことはできません。染色体検査と同様、血液を採取することで検査を行います。通常染色体検査とセットで行う検査となります。
それぞれの検査目的や内容についても記載してください。
男性不妊のお悩みは松本レディースIVFクリニックへ
松本レディースIVFクリニックでは、男性不妊の診療をおこなっております。精子を作るために必要なホルモンの検査、精子を作っている精巣の超音波検査などを行い、少しでも精子の状態を改善させることで、男性も妊娠出産の確率を上昇させることが可能です。
まとめ
奥様が当院にかかっている方を対象に毎週木曜日に男性不妊外来をおこなっております。精子の状態が悪い方、体外受精や顕微授精をしてもなかなか結果が出ない方から性交渉がうまくいかないといった悩みを抱えている方まで一度男性不妊外来を受診してみてはいかがでしょうか?