子供が欲しいと考え始めると、自分の生活習慣をまず整えようという方も多いでしょう。生活リズムや食生活、ストレスなど気になることは色々ありますが、中でもアルコールを摂取していいのか?という質問を多くいただきます。コロナも5類になって飲酒の機会も増え、どう付き合ったらいいのかなとお悩みの方もいらっしゃるはず。「妊活中はお酒を飲んでいいのか?」「絶対禁酒なのか?」「飲んでもいいならどんな時期にどんな種類なら大丈夫なのか?」「どうしてもお酒を飲みたくなったらどうしたらいいの?」それらの質問に答えていきます。
池袋駅 東口から 徒歩3分
働きながら、通いやすい。
最善の手段が選べる妊活を。
松本IVFレディースクリニックは、
最新のテクノロジーを駆使し、
短期での妊娠成立を目指す、
すべての人に最適な
妊活を提供します。
目次
妊活中はお酒を飲んでも大丈夫なの?
妊活中はお酒の量を控えるのが良いと言えます。過剰摂取は不妊症のリスクになります。
WHOは妊娠を目指す期間、または妊娠中に安全なアルコールの摂取量は不明としています。
ストックホルムの女性のアルコール消費量と不妊についての調査では、1日2杯(単位)以上飲むと、1日1杯以下の方と比べ妊娠率は0.64倍になりました。一方、デンマークの妊娠女性の妊娠までの期間は、(赤)ワインを飲む方の方がアルコールを全く飲まない方より短くなっていました。イタリアの女性では、アルコール消費の有無で妊娠率に違いはありませんでした。以上を踏まえて米国生殖医学会は、アルコール1日2単位(缶ビールや缶酎ハイ500mL1缶=1単位)以上で、不妊症の確率が上がると発表しています。
これらは人種や個人でも代謝能力が異なり、実際にこれくらいの量は安全、これ以上は危険という一般的な線引きは困難です。過量の飲酒は避けた方が良いでしょう。
もちろん妊娠を考えたら一切お酒を飲んではいけないというわけではありません。生理中から排卵前、あるいは不妊治療の周期中で妊娠の可能性がないと言える時期に適量の摂取は大きな問題はないと言えます。
ただし、妊娠中、赤ちゃんの発育に安全な飲酒量はありません。そのため、妊娠の可能性がある時期にはお酒は控えましょう。
妊活中に注意すべきその他の飲み物
①カフェイン
妊娠中のカフェインの過剰摂取は赤ちゃんの発育に影響が出ることがあります。妊活中も常識の範囲内ならOKでも、摂りすぎはよくない、という報告もありますので、妊娠した後の生活も意識してカフェインレスの生活に慣れておくと良いでしょう。コーヒーは1日2杯程度に抑えておきましょう。
②市販の加糖飲料
暑い時期にゴクゴク飲みたくなるイオン飲料や、ビタミン不足を補うために飲む野菜ジュースやフルーツジュースは、意外にも多くの糖分が含まれています。
糖分の多い飲み物をとると血液中の糖分(血糖値)を急激に上げ、それを下げるためにインスリンというホルモンが過剰に分泌されます。血糖値の乱高下が続くと膵臓が疲弊して次第にこの血糖調節がうまくいかなくなってしまいます。そしてインスリンを分泌しても血糖値が下がらず、さらに分泌を続けるというインスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」を招きます。このインスリン抵抗性は一般的には糖尿病予備軍と関連しますが、不妊とも大きく関連します。飲み物はなるべく糖分を抑えたものが良いでしょう。
妊活中におすすめの飲み物
① カフェインの入っていないもの(麦茶など)
カフェインは少量なら摂取してもOKですが、色々なものに入っているため、うっかりすると過剰摂取になることがあります。
麦茶はカルシウムや鉄分、カリウムなどのミネラルが豊富で安心して飲むことができます。
② ハーブティー
香りがよくリラックス効果の高いハーブティーもおすすめです。ただし、妊娠中に避けた方が良いものとしてローマンカモミール、アロエ、シナモン、サフラン、タイム、ナツメグなどがあります。もちろん、少量飲んでしまったから即影響があるというわけではありません。また、中にはスパイスとして使用されるものもありますが、それも少量の使用が妊娠中に禁忌というわけではありません。
③ 野菜ジュース
妊活中に摂りたい栄養素の一つに葉酸があります。葉酸を多く含む果物や野菜(イチゴ、アボカド、マンゴー、パセリ、ホウレンソウなど)をフレッシュジュースとして摂取するのもおすすめです。ただし、市販の野菜ジュースは糖分過多のものが多いので要注意。
妊活中に葉酸の摂取がおすすめの理由
葉酸は赤ちゃんの脳や脊髄を形成するのに必要な栄養素で、細胞分裂が活発な妊娠初期に不足すると神経管閉鎖障害(二分脊椎や無脳症)という先天異常が起こる可能性があります。妊娠する1か月前からの摂取が推奨されています。妊娠を考え始めたら意識して摂取しましょう。ブロッコリーやキャベツに多く含まれています。
妊活中に飲んでも大丈夫なお酒はある?
1日のアルコールの適量は20gと言われています。
また、週に2日は休肝日を設定するのをお勧めします。
お酒の1単位(純アルコールにして20g)
ビール(アルコール度数5度): 中びん1本 500ml
日本酒(アルコール度数15度):1合 180ml
焼酎(アルコール度数25度):0.6合 約110ml
ウイスキー(アルコール度数43度): ダブル1杯 60ml
ワイン(アルコール度数14度): 1/4本 約180ml
缶チューハイ(アルコール度数5度): 1.5缶 約520ml
(缶チューハイはストロング系のものも多く売られており、9-13%程度と強いものもあります。アルコール度数をよく確認しましょう。)
上記を参考に、適量を摂取するように心がけましょう。
カクテルは甘くて飲みやすいものが多く、気づくと多量のアルコールをとっていた、ということもあります。ベースのアルコール度数が高いものも多いので、飲みすぎには注意しましょう。
また、上記はあくまでも目安であり、代謝能力にはかなり個人差があります。特に日本人は遺伝的に代謝能力が低い方が多いため、飲みすぎにはご注意を。
妊活中にお酒を飲みたいときの対処法
①妊娠の可能性がない時期に飲酒を楽しむ
排卵前後や体外受精であれば胚移植後など、妊娠の可能性がある時期はお酒を避けましょう。妊娠中に飲酒すると「胎児アルコール症候群」を引き起こすことがあります。胎児の学習能力へ悪影響があったり、記憶障害、低身長や低体重などの発育障害を引き起こす可能性があると言われています。生理中や生理直後の妊娠の可能性がない時期や、不妊治療中の方は妊娠の可能性がない周期にお酒を飲むようにし、妊娠がわかったらすぐに禁酒しましょう。
②ノンアルコールに変える
最近はノンアルコールビールやノンアルコールカクテルなど、アルコールが入っていなくてもお酒に似たような味を楽しめる飲み物が多く発売されています。飲めない時期や飲みすぎたな、という時はうまく取り入れてみましょう。
③早めの時間に飲む
お酒を飲むと眠くなる、という方は多くいらっしゃいますが、アルコールは眠りを浅くします。睡眠の質が悪くなるとホルモンバランスの乱れにつながり、妊娠からも遠ざかります。寝る直前の飲酒や、寝るための飲酒は避けましょう。
④おつまみや締めを控える
おいしいお酒を飲むとおいしいおつまみが食べたくなる方もいらっしゃるのでは。少量なら構いませんが、お酒が入るとついつい抑えがきかずに沢山食べてしまいカロリーオーバーになることがあります。また、お酒を飲んだ後は、肝臓でのアルコール分解が優先されて代謝が低下し、代謝できなかったエネルギーは脂肪として蓄積されるため太る原因になります。体重が増えると排卵がうまくいかなくなることも。糖質やカロリーを抑えたおつまみをとるようにしましょう。
妊活のご相談は松本レディースIVFクリニック
当クリニックは、「赤ちゃんが欲しいのになかなかできない」と悩んでいらっしゃる方のための不妊治療専門クリニックです。
妊娠しにくい方を対象に、不妊原因の探索、妊娠に向けてのアドバイス・治療を行います。
1999年に開業し、これまで、不妊で悩んでいた多くの方々が妊娠し、お母様になられています。
当院の特徴につきましてはこちらをご参照ください。
https://www.matsumoto-ladies.com/about-us/our-feature/
まとめ
今回は妊活とお酒について説明しました。妊活を始めたら、「絶対に飲酒はダメ」というわけではありませんが、量やタイミング、種類には気を付ける必要があります。また、自分の体がお酒に強いか弱いかでも変わります。お酒に弱い人が無理に飲むのも、強い人が大丈夫だからと大量に飲むのも、妊活にとっても体にとっても良くはありません。
パートナーにも妊活と飲酒の関係を知ってもらい、お酒とうまく付き合えるようにしましょう。